『町一番のお転婆娘』と呼ばれていた茜(あかね)は、その性格が仇となって見合いに何度も失敗し続けていた。そんなある日、彼女を嫁に迎えたいと申し出る男が現れた。その男とは、誰にも会わず町外れでひっそりと暮らしており、いつもお面を被っている為に「顔が無い」と噂されている『顔無しの男』だった。不気味なお面を被って話しかける夫・幸若彦(さちわかひこ)に不安でいっぱいな茜は、些細な切っ掛けで思わず彼のお面を剥ぎ取る。
夫は、本当に顔が無かった。
思わずその場から逃げ出す茜。
彼は一体何者なのか。果たして二人の結婚生活は上手くいくのか。
そしてこの二人の結婚が、後に起こる壮絶な出来事の前触れとなるのだった。
茜(あかね)
『町一番のお転婆娘』と呼ばれている、とても活発な女性。『顔無しの男』こと幸若彦に求婚されて嫁ぐことになるが、本当に顔が無かった夫に驚愕して脱走を図ろうとする。
幸若彦(さちわかひこ)
『顔無しの男』と噂されている青年。茜を嫁にしたいと申し出て夫婦になる。本当に顔が無い。何故顔が無いのか、何処から来たのか等、とにかく謎が多い。
千蔵(せんぞう)
幸若彦に仕えている屋敷の住人。幸若彦を大切にしているが故に心配性な部分がある。幸若彦には「爺や」と呼ばれている。漬物好き。
トメ(とめ)
幸若彦に仕えている屋敷の住人。茜が嫁入りしてからは彼女の世話役になる。上品な女性だが怒ると怖い。
勇次郎(ゆうじろう)
茜の父親。見合いに何度も失敗する娘を心配していたところに幸若彦から求婚の文を受け取り、藁にも縋る思いで茜を嫁に出す。初めは彼の噂を気にしていなかったが……
高田介之助(たかだすけのすけ)
町の熱血番人。謎が多い『顔無しの男』の正体を暴かんと、彼をしょっ引く機会を伺っている。
晴吾(せいご)
介之助に従う番人の若者。介之助が信頼を寄せる程の優秀な男だが、何を考えているのか分からないところがある。実は……
喜助(きすけ)
茜の友達。茜が嫁入りしてからは寂しがりつつも彼女を心配している。いつも平太と共に行動している。気が強くてしっかり者。
平太(へいた)
茜の友達。いつも喜助と行動を共にしている。喜助に比べると気が弱い方だが、同じく嫁入りした茜を心配し、彼女の助けになろうとする。
道孝彦(みちたかひこ)
幸若彦の兄。とある事情で弟の元を訪ねてくる。彼が訪れた事で物語が大きく動き始める。
山主様(やまぬしさま)
茜が住まう町の町人達が、町の守り神として深く信仰している山の神様。住んでいると伝わる山は存在するが、その姿を見た者はいないと言われているが……
灯釜田龍 (ひがまたのぼる)
福岡県出身。趣味は神社参拝。
▼漫画投稿サイト『マンガゲット』にて『お転婆娘と顔無しの男』と『現世の匠』が2本同時に月間MG賞を受賞。
▼数ヶ月後、『お転婆娘と顔無しの男』が『GANMA!』に出張掲載。
▼そのまま『GANMA!』にて『連載版・お転婆娘と顔無しの男』を連載中。